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音楽×本17組
  • 未来と過去の境界線であり、一瞬で過ぎ去る危うい時期のことを、青春と呼ぶ。

    朝の8時から夜の8時まで歩くというハードすぎる行事の最中、子どもたちはそれぞれの複雑な事情を抱えながら、果てしない道を歩いてゆく。

    時には嘆くこともあるだろう。
    時には泣き出したくなること、耳を塞ぎたくなることもあるだろう。

    そのような「ノイズ」にこそ、生きるための知恵が潜んでいると主人公の友人、忍は言う。

    来る時期に出会っておけばよかった「ナルニア国ものがたり」のように、この物語もまた、誰かの運命を変える手助けになるに違いない。
  • ちっぽけな自分に、何が出来るのだろう。
    半端な頭で考えた。

    理不尽な暴力に抗うほどの能力を、私は持っていない。
    ただ祈ることしかできないのだ。

    偽善者と言われても、仕方がないことだ。
    被害を忘れずに、少しずつ燈を灯してゆくしかない。

    灯し続けた先に、光が見えてくるはずだから。
    どれほど先が真っ暗でも、私たちは信じることしかできないのだ。

    彼女は自分に出来ることは何かを常に考え、追求してきた。
    差別する側だと自覚した時、どんな気持ちだったのだろう。
    人は過ちを認められない生き物だ。
    その他大勢の傍観者の視線を振り切って、彼女は現実に向き合う勇気を得た。
     
    今度は私たちが、その道を辿る番だ。
  • 母親には「事故をするからバスに人間を乗せるな」と言われ、村の人々には根も葉もない噂を立てられ、ご飯の食べ方を注意され、運転手から罵られ、一方的な暴力まで受けても人を馬鹿にせず、抵抗せず、文句を言わずに寡黙を貫く信男を称えたい。
  • 落合陽一氏の未来へに展望や視座のイメージがsakanaction
    moonのシンセのクリアな宇宙的サウンドとベストマッチ
  • 山口一郎は、パウル・クレーに強い影響を受けた。
    時代を享受し、いつも最先端を歩み続けてきた。

    雪崩を起こさんばかりに積み重なった本。
    状況もわからず、後ろ指を指す部外者。
    黙々とパソコンの画面に向かい、ペンを走らせる彼。

    これはクレーの名を冠した楽曲である。
    彼の中に詰まった憂いをぶつけるように、いつになくアグレッシブに歌われる。

    まるで頭の中で悶々と考え続け、問いのない答えを見つけ出す途方もない作業をしているようだ。

    遠い地で心を摩耗させ、作品をひとり作り続ける自分。
    「それが全ての始まりです」

    彼に影響を受け、新しい時代を作り上げる人間はいったい誰だろう。

    旅は、これから始まったばかりなのだ。
  • 表題作の最後のワンフレーズが衝撃的すぎて、何も覚えていない。
    簡略化すると、「平凡。平凡。平凡。平凡すぎて、努力もできない、出来そこないの君が好きです。」といった内容だ。

    全編共通するのは、全身を抉られるような痛さと、心の中に隠し持っていた邪悪な膿のようなものを引きずり出すような感覚なのだ。

    納得した。彼女には隠し事が通用しないのだ。
    残酷なほど無邪気に、「言葉」というナイフで切り刻むことが得意な人というのが、この世界には一定数いる。
    それが最果タヒという詩人なのだろう。

    自己顕示欲すら、彼女はいとも簡単に小説に落とし込み、料理してしまう。
    全編珍味を齧っているような、癖になる味がするのだ。

    悩みぬいた人々は、いつからかその悩みそのものに名前を付けた。「アイデンティティ(同一性)」と。
  • 「リブ・フォー・トゥデイ」に対する選曲です。
  • どちらにも夜、花というキーワードがピッタリハマった。
    〈僕の目 ひとつあげましょう だからあなたの目をください
    まだ見たことのない花 新しい季節を探してた〉

    目は芽とも言い換えられる。可能性に満ち溢れている芽。それを子どもとして、代わりに目を差し出す。見張る、見つめる、見直すなど、子育ては目を使う機会が多くある。目から芽を育てる。そんな感覚でピッタリだと感じた。
    新しい季節は良い言葉だなと思う。章の終わりには明るい気持ちになった。もがきながら、悩みながら、新しい季節を見つけたときの彼らの幸せを願ってやまない。
  • 人は踊る。上手かろうが下手だろうが関係ない。そこに音楽があれば、勝手に体は踊り出す。

    青春は言葉にできない衝動と、抑圧からの解放から始まる。

    さあ皆、踊る阿呆になって踊り狂え。

    後悔も胸に秘めた青い気持ちも、全て脱ぎ去って、本能で踊れ。
  • 少女は消えた。
    足跡も残さず、彼方の方へ走っていった。
    彼女が雨になって溶け込んだのは、日常という名の海なのだ。行き先はきっと、彼女しか知らない。

    「おやすみなさい。私は、王子さまのいないシンデレラ姫。
    あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか? もう、ふたたびお目にかかりません。」
  • 言葉づかいが洗練されていて、かつ
    自分と世界の別れを歌ったこの曲の世界観が、作品に合うと思ったのでセレクトしました。
  • 暗い夜の海の中を、一匹の青い魚が泳ぐ。
    カラフルな魚たちと共に入れられた一匹。
    月が輝き、夜空が海の底となって溶ける時、彼は若さを丸め込んで捨てて、
    息が詰まりそうな街を抜けて、青い尾鰭を動かし泳ぎだす。
  • 道化師だって人間だ。
    人は、自分の本心とは違うことをしているうちに少しずつ心が麻痺していくのだと思います。ただの最低な男の半生記として読むのではなく、自分の中の葉蔵をいつも探してしまいます。