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本×音楽2組
  • トタン屋根の残骸は人間の首から上を吹き飛ばし、旋風は豆粒の如く人々を軽々と巻き上げる。
    溺死者が川面を流れてゆき、水面には見る影もなく膨らんだ花魁が、重なり合って息絶えている。

    火達磨になって死んだ男。
    憐れなるかな。大人しく言うことを聞いて、背負った荷物を捨てていれば助かったかもしれぬのに。

    愚かなるかな。今も昔も、根も葉もない噂で人が死ぬのは変わらない。朝鮮人というだけで、罪のない人々が殺された。

    ホラ吹きと言われた地震学者に、流言・暴動・憲兵の虐殺。
    陰惨たる過ちの歴史がここに連なる。
    著者は冷徹にならない程度に距離を置きながら、意見を述べる。

    知るのも自由、知らぬのも自由。
    但しここに書かれたものは全て事実であることを、ゆめゆめ忘れてはならない。