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音楽×本4組
  • 青年は夜に魅せられた。

    甘美な死の香りと、
    倦怠感を伴う青い月の光に惑わされて。

    身体ごと『溶けてしまいたい』と望むような夜を、
    一度だけ見たことがある。

    今思い返しても、
    証拠がないので幻と大差がつかない。
  • 人は欲望を抑え込むことはできない。信じたくないが、それは事実だ。

    ここに描かれているのは、両極端で一方的な愛なのだが、一歩間違えれば誰にだって堕ちてしまうような沼の面も持ち合わせている。

    自分の欲に目を逸らさずに見続けたものだけが手にすることができる愛もあるのだろう。

    江國香織の短編と同じ名を持つこの物語のように、愛に溺れたのは果たして何人いるのか。

    衝動と極限までの激情が込められたこの楽曲に思いを馳せたい。
  • 人はなぜ、誰かを愛するのだろう。それと同時に、誰かを忌み嫌ったりするのだろうか。

    誰しも心の中に悪いものを飼っていて、その事で人は悩み、苦しむ。矛盾する感情を抑えきれずに、吐きだしてしまう。

    生きることとは、その矛盾まで愛することなのだろう。極限まで愛して、自分の一部として「飼い慣らす」。

    化け物がいることは悪くない。誰にでもいるから。それよりも問題なのは、「飼い主がちゃんとコントロールができない」ということだ。
  • 真鶴という場所は、私の中で不思議な場所だ。
    徳永京が夫を求めて彷徨ったように、この歌もまた行き場を知らず彷徨っている。
    ぼんやりと灯された薄紫の明かりの中で、同じところをぐるぐる廻るような錯覚を覚える。
    終わりなんてないんじゃないかとさえ思えてくる。