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うぐはら

  • プロフィール
    感想なのか詩なのか分からない文章を書く人。エンタメ小説を中心に純文学、エッセイなどを読みます。
    邦楽ロックとJ-POPが好物。

  • 青年は夜に魅せられた。

    甘美な死の香りと、
    倦怠感を伴う青い月の光に惑わされて。

    身体ごと『溶けてしまいたい』と望むような夜を、
    一度だけ見たことがある。

    今思い返しても、
    証拠がないので幻と大差がつかない。
  • 『終わりのない 永遠の焦り』とは、
    すなわち電子の海を泳ぎ続ける知的生命体のことか。

    眠らせた『あの合図』とは、
    深菜の記憶の引き金のことだ。

    二人は海月のように揺らめいて、
    記憶の中へと取り込まれてゆく。

    それを永遠と呼ぶのなら、
    神の記憶とは、なんて残酷なのだろうか。
  • 本との出会いは、運命しか言いようがない。

    今日本屋で出会った一冊が、次の日にも出会えるとは限らない。
    たとえ、どこでも手に入るベストセラーであったとしてもだ。

    それは、人との出会いと似ている。
    新しいものが次々と生まれては消え、一部の限られたものだけが目に留まり、新たな出会いを紡いでゆく。

    『閉ざされたドアの向こうに 新しい何かが待っていて 
    きっときっとって 僕を動かしてる』

    どんな理不尽なことでも、受け入れて乗り越えることができる力。
    明るく開き直って生きることができるほど、強い力。

    そんなおまじないがこの物語にあるのだと、思いたい。
  • 僕は、口下手で不器用で本の虫。

    SFが好きだけど、無力。ちっぽけな人間。
    だけど。
    運命を捻じ曲げて自らが消滅しても、この世界が改竄されても。

    ーそれでも。

    「『あの子を救いたい』と思ったのだろう?」
    「想像力があれば、なんでもできるさ。無力だと思うな。」

    ー僕はその時を息を止め、待つ。

    これは、二人のナオミの物語。
    「セカイ系」とひとまとめにするには、あまりある物語だ。
  • 夢から醒めても、続く夢。
    そうだ、これは悪夢だったのだ。
    誰かが夢に終わりを告げなくてはならない。
    盲目の天使が告げた愛を、孤独の果てに傷ついた哀れな魂を、救済するために。

    瞳から赤い血を流し続ける彼に、月と花束を。哀と藍の言葉を。
  • 『心の火事』と非常に迷ったのだが、主人公の美意識を表現していると捉えたら、この選曲が思いついた。
  • 人は、運命を変えることが出来ないのか。
    復讐による殺人は宿命か。
    ブレーキの壊れた殺人は続く。どちらかが摩耗し、命を落とさない限りは。

    私には理解できない、歪んだ「愛」の中で、愛を与えられなかった二人の少年は、腕を血濡れにしながら沈んでゆく。

    どこまでも、どこまでも。
  • 選曲に後悔はしてない。
  • これは、「奇跡の物語」。とキャッチコピーは謳っているが、私にはこの作品群も等しく『青春』小説だ。

    雨音を頼りに躍る少女の胸の高鳴り、3歳にして全てを悟ってしまった幼児の悲劇、一面アルパカまみれのアルパカ掌編、猫を産んだ叔母の話、最高にロックでハードボイルドな『無人島に何を持っていくか?』の回答、前の持ち主が残した音楽の数々を聴きながら想像する男の話など、非常にバラエティー豊かなのである。

    こんなに一冊の中にまとめられた掌編の種類が豊富なのだから、奇跡や偶然がひとつやふたつあってもおかしくないだろう。

    エメラルドの羽で、あなたも空想の空を翔けるといい。
  • たった一人で世界にクーデターを仕掛けた少女。
    彼女は、自分の体が機械に乗っ取られることを非常に警戒していた。

    過剰に安全が保障された「真綿に首を絞められそうな」世界の中で、憂いた少女が起こした事件。

    『祈りたいよ 君のために 迷わないよう 光差すよう』

    祈るのは霧慧トァン。彼女に祈られるのは、御冷ミァハ。

    神とも精霊ともつかぬ無邪気な少女の、最期の叫び。そして永遠に続く、「最大の幸福」と祈り。




    「ハレルヤ」。
  • エッセイにどこか懐かしい雰囲気があったので、昔の思い出を壊さないようにするために選曲しました。(作品と夏休みは関係ありませんが…。)
  • 孤児としてこの世に生を受けたシルバーは、普通とは違う生い立ちを経たせいか、
    周囲とうまく溶け込むことが出来ず、しまいには精神病院行きになってしまう。
    彼女の言葉は適切に処理されず、ちゃんと聞いてもらえない。

    ピュー、もといバベル・ダークは、暴力的な姿と、慈愛を授ける二つの分離した心に苦しんでいた。
    彼の心情は、たびたび「ジキルとハイド」に例えられる。

    pollyが奏でるノイジーな音は、息ができないほどの孤独に悩んだ人間だけしか表現できない、潮騒だ。
    「泣きたいと笑っていた僕は誰だ」。

    深淵からの叫びが聞こえてくる。
    なんて残酷で、美しい調べなのだろうか。
  • 劇薬を撒いて植物たちを救おうとした男の子は、善意だけで行動したのだろうか。

    憂鬱そうに笑いながら橙色の砂を巻いた彼は、劇薬を撒いた挙句自らに振りかかって息絶えた、あのギザギザの歯の少年に似ていた。

    金色や銀色の幾筋もの光の輪が、通路を塞ぐように、森を照らしている。

    死者を弔い、憐れむように。
  • Mrs.Green Appleが掲げているのは、大人に対する軽蔑と、子どもに対する同調だ。

    生意気と達観の中間に存在し、厭世的になっている。その負の感情すら、ポップな娯楽へ昇華してしまう。

    菜乃花が大人や周りの子どもを軽蔑していたのも、彼女の洞察力が優れていたからにほかならないのだろう。

    皮肉と慮りの狭間で、彼らは生きている。
  • 傷つけられた二人は立ち上がり、力を合わせ、未来を切り開いてゆく。
    大丈夫だ。二人はどこの誰よりも強い双子なのだから。

    (後になってこの曲があることを知りました。連投すみません。)
  • 「想像力が僕らを助けるよ そうさどんなときも」
    「宇宙のパーティさ 月にハシゴ架け君を迎えに行くんだ」
    これほどまで合ってる曲はないような…
  • 避けられようのないものにがんじがらめにされた少年は、世界に復讐することを試みた。
    ここでの螺旋は、そのまま遺伝子だ。
    生きた虚像というのは、葛城のように、善人の面をした悪人のことだ。
    彼は最初から、大切なものを暴力によって奪われていた。

    黄金色に輝く悪魔の螺旋は、彼の腕に絡みつき、遂には罪の花を咲かせた。
    それは赤く染まりながら、びっしりと釘で覆われたバットを濡らした。

    この物語は勧善懲悪の話である。と同時に、偽悪的な物語でもある。
    矛盾しているようだが、春が行ったことを考えると、罪や悪という言葉で断言するのもおかしい気がしてくるのだ。

    生まれながらにして性善説を押し付けられた彼は、この先どんな未来を歩むのだろうか。
  • 登場人物の名前に心当たりがあったので。詳しく語るとネタバレになるので言いませんが、「誰もが、他の誰かに作られた世界で躍らされている」という点ではぴったりではないかと思います。
  • 正義を振りかざす「記憶喪失の男」。
    それがすべてを巻き込んだ過ちとは知らずに。
    人間としてどこかがずれた彼は、脳だけの存在となってこの世界に闘いを挑む。
    闇に溶けていったのは、黙示禄。
    大烏が空を覆い、怪物が走り出すとき、真実は暴かれる。
  • 難解な歌詞と曲の神聖さ、全てが嚙みあって神話の世界を如実に再現しているようでした。

    いつかこの曲の歌詞を、自分なりに解釈してみたいものです。
  • 母親には「事故をするからバスに人間を乗せるな」と言われ、村の人々には根も葉もない噂を立てられ、ご飯の食べ方を注意され、運転手から罵られ、一方的な暴力まで受けても人を馬鹿にせず、抵抗せず、文句を言わずに寡黙を貫く信男を称えたい。
  • 雰囲気を壊さないように、王道で。
    ぜひ一度、手に取って眺めて頂きたいです。
  • 劣勢。メンデルの法則でもあるように、「優勢」とは対極になる言葉だ。
    登場人物たちは背伸びし、虚勢を張り、特別であることを異常にアピールする。

    江沼郁也は昔から「劣等感」を抱えた人間だった。
    自分を異形の者だとみなし、自らを責め立て、文学へと昇華させた。
    言い換えれば、そこまで繊細であった。

    「何故故に 何故に 僕らは在るの?」

    世間が若者に向けてリサーチすることはよくあることだが、
    逆に世間に向けて、若者が聞き取り調査を行えば、一体どんな答えが返ってくるのだろう?

    「世間は僕らに何を期待する?」
  • アイデスの中で、永遠の眠りに落ちたあの子の形見。
    月明かりに照らされて、銀色に輝いていた。

    ひとりぼっちで息絶えた彼女には、青いブルーベルの花と、西瓜糖のネックレスを捧げよう。

    赤い星が瞬く夜には、狐火が舞う。
    ランタンを持って、お別れのキスをしよう。

    忘れられた世界へと続く、奇妙なパレードの中で、子どもたちは虎と手を取り踊る。

    穴だらけの屍には、堂々たる長老鱒の賛美歌を唱えよう。
    死してなお歩みを止めない彼の勇気を称えて、無音の太陽のダンスが鳴り響く。

    無残な死に方をした荒くれ者たちは、青い炎に焼かれて煙になってしまった。
  • 人間の愚かさと滑稽さに一喜一憂して、理不尽なことに腹を立てて、人一倍傷ついて、卑しさも醜さも全部さらけ出して生きていく。
    みっともなくたって、笑えるだけでいいじゃないか。それ以上も、それ以下も望まない。それが人間なんだから。
  • カバー曲の方が物悲しさもあって、この本に似合っているのですが、itunesにないので本家で選曲しました。
    カバー曲→https://www.youtube.com/watch?v=-6xFAA3dD1I

    男性が女性、女性が男性であるという登場人物、性とジェンダーという、デリケートで難解な内容を取り扱っていますが、ノスタルジーも感じます。

    様々な疑問点が残りますが、次世代のSF(サイエンス・フィクション)と言ってもいいのではないのでしょうか。

    個人的には主人公の温と、ルビが報われて欲しいと願うばかりです。
  • 深く考えすぎ、思うがままに言葉の弾丸を放つ。
    その結果誤解されても傷つくよりましだと考えてそのままにしてしまういじらしさ。

    そこに共通項を見つけて入れてみた。

    確かにいろんな意味で難ありで、揉め事も起こすけど、愛しい。
    揉め事があっても、埋もれてしまうのはあまりにも可哀想だ。

    今、この時代だからこそ求められているもの、心というものは、彼らの中にこそあるのかもしれない。
  • 最終章の『おやすみなさい、子供たち』の優しさが、どんなに悲しいことがあっても生き抜こうとする曲の趣旨と重なっていたので。
  • 気だるさと何かが起こる予感、主人公がゆっくりと異世界へ運び込まれる状況に合わせてみました。
  • 私たちにとって、死は近いようで遠い。
    生身の肉が焼かれて骨になることを理解している人間なんて、ゼロとは言わないが少ないだろう。
    肉のままの、どうしようもなく空洞な自分を愛せるか。
    私たちの時代の人間は、常に問われ続けている。