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うぐはら

  • プロフィール
    感想なのか詩なのか分からない文章を書く人。エンタメ小説を中心に純文学、エッセイなどを読みます。
    邦楽ロックとJ-POPが好物。

  • 彼は心に傷を負った。
    人を信じきれなかった。

    彼は天才だ。
    面白い話を聞かせて、
    滑稽な役を演じて、
    人を元気づける。

    でも、それは
    ほんとうの彼じゃない。

    臆病で、強がりで、
    嘘ばかりついて。

    だれよりも傷つきやすい、
    繊細な人。
    それこそがおどけてばかりいる、彼の本心だ。

    親しい人にさえも、
    心に鍵をかけて閉ざした。

    独りぼっちになるのが、
    こわいから。

    ほんとうはみんなと一緒にいたいけど、
    傷をつけてしまうのが嫌だから。

    だから、君が生み出した生き物たちは、
    こんなにも躍動感があって、愛しいんだ。

    ----------------------------------

    ※この曲を生み出した小説に、
    感謝の気持ちを込めて。
  • 黒く淀んだ水は流れ続け、
    青年は赤い花に埋もれたまま、
    朽ちてゆく。

    死者は彼岸から此岸へ現れた。
    青年は死者と手を取り踊る。

    彼からすれば、一途な純愛に違いない。
    こちらからすれば、理解に苦しむが。
  • 痛快。
    自身の恋愛感、人との距離感をフラットな言葉で刺してくる。

    その割に辛さはない。
    口は悪いけど信じられる友人と話しているときに近い。

    真夜中、眠れない日に少しずつ読んでみたい。
    最果タヒさんの詩集と似た雰囲気だ。

    皆がみんな、どこか辛くて、でも生きているんだよな。

    読み終わると共感でいっぱいになって、
    生きているのもそう悪くはないのだと思えてくる。
  • 不安定がゆえに死を望む。
    中二病と一言で括ることは簡単だが、
    そう簡単に言いきれないもどかしさがある。

    心の葛藤、どす黒い死への渇望。
    人間であることを辞めたい人間の、愛情と静かな狂気。

    登場人物も、読者も、
    ともに狂ってしまうことを止められない。

    なぜだろう。
    どうしてこんなにも彼らが愛しいのだろうか。
    世間的に良いことなんて、何もしていないのに。
  • 念願の昇格をかけて、サポーターたちは推しのチームを全力で応援する。熱を持って、愛を持って、彼らは全力に語り尽くす。

    スタジアム。

    そこには悲喜こもごもの、言葉では語りきれないほどのドラマが待っている。

    弱小チームの奮闘記、マイナーなチーム名の由来、因縁絡みの試合、音楽大好き少年から見たサッカー…気付けばマニアになっている自分がいた。

    内巻敦子さんのキュートなイラストも、物語に華を添えている。
    サッカーに興味がなくとも、目が離せない。
  • 未来と過去の境界線であり、一瞬で過ぎ去る危うい時期のことを、青春と呼ぶ。

    朝の8時から夜の8時まで歩くというハードすぎる行事の最中、子どもたちはそれぞれの複雑な事情を抱えながら、果てしない道を歩いてゆく。

    時には嘆くこともあるだろう。
    時には泣き出したくなること、耳を塞ぎたくなることもあるだろう。

    そのような「ノイズ」にこそ、生きるための知恵が潜んでいると主人公の友人、忍は言う。

    来る時期に出会っておけばよかった「ナルニア国ものがたり」のように、この物語もまた、誰かの運命を変える手助けになるに違いない。
  • ちっぽけな自分に、何が出来るのだろう。
    半端な頭で考えた。

    理不尽な暴力に抗うほどの能力を、私は持っていない。
    ただ祈ることしかできないのだ。

    偽善者と言われても、仕方がないことだ。
    被害を忘れずに、少しずつ燈を灯してゆくしかない。

    灯し続けた先に、光が見えてくるはずだから。
    どれほど先が真っ暗でも、私たちは信じることしかできないのだ。

    彼女は自分に出来ることは何かを常に考え、追求してきた。
    差別する側だと自覚した時、どんな気持ちだったのだろう。
    人は過ちを認められない生き物だ。
    その他大勢の傍観者の視線を振り切って、彼女は現実に向き合う勇気を得た。
     
    今度は私たちが、その道を辿る番だ。
  • 『セカイ系』や『近未来SF』という言葉を抜きにしても、闇を包む希望の光に満ちている。

    この物語は現代における光の祈りであり、魔法使いが残した魔法だ。

    過去のアルバムを今一度聴き直してみて、illionのBANKAやtazunaはこの曲を生み出すために存在したのかと再確認した。

    愛について語り、愛のことを知り尽くした賢人。それが野田洋次郎だ。

    あとがきにも書かれている通り、彼と新海監督は良き友人である。
    共に脚本と作曲を手掛けるエキスパートだ。

    RADWIMPSに興味を持った方は、ぜひ彼らのライブに行ってみてほしい。
    音と映像が交わった瞬間、本当の奇跡を味わうことができるから。
  • この本に刻まれた言葉達が、あなたの心に届きますように。
  • 本の雰囲気に合わせて、ジャズバージョンにしてみました。

    一番心に残っているのは「好きこそ物の上手なれ。ということわざもありますが、ただ好きなだけでは、大きく伸びません。」という言葉です。

    子供はもちろんのこと、大人の方が何倍も胸に染みる言葉ではないのでしょうか。
  • 記憶は「肉体」の一部なのか。「記憶」と「肉体」を切り離すことは叶わぬ夢なのだろうか。

    世界的な題混乱によって、大忘却という災禍に巻き込まれた人類は、新たな進化を経ることになった。

    『波に消されていく息遣い その音に耳をすませば
    確かに記憶に存在する 不変の物語』

    ※見覚えがあると思ったら、どちらも吉田ドンドリアン氏がイラストを手掛けていたようだ。
  • 青年は夜に魅せられた。

    甘美な死の香りと、
    倦怠感を伴う青い月の光に惑わされて。

    身体ごと『溶けてしまいたい』と望むような夜を、
    一度だけ見たことがある。

    今思い返しても、
    証拠がないので幻と大差がつかない。
  • 『終わりのない 永遠の焦り』とは、
    すなわち電子の海を泳ぎ続ける知的生命体のことか。

    眠らせた『あの合図』とは、
    深菜の記憶の引き金のことだ。

    二人は海月のように揺らめいて、
    記憶の中へと取り込まれてゆく。

    それを永遠と呼ぶのなら、
    神の記憶とは、なんて残酷なのだろうか。
  • 本との出会いは、運命しか言いようがない。

    今日本屋で出会った一冊が、次の日にも出会えるとは限らない。
    たとえ、どこでも手に入るベストセラーであったとしてもだ。

    それは、人との出会いと似ている。
    新しいものが次々と生まれては消え、一部の限られたものだけが目に留まり、新たな出会いを紡いでゆく。

    『閉ざされたドアの向こうに 新しい何かが待っていて 
    きっときっとって 僕を動かしてる』

    どんな理不尽なことでも、受け入れて乗り越えることができる力。
    明るく開き直って生きることができるほど、強い力。

    そんなおまじないがこの物語にあるのだと、思いたい。
  • 僕は、口下手で不器用で本の虫。

    SFが好きだけど、無力。ちっぽけな人間。
    だけど。
    運命を捻じ曲げて自らが消滅しても、この世界が改竄されても。

    ーそれでも。

    「『あの子を救いたい』と思ったのだろう?」
    「想像力があれば、なんでもできるさ。無力だと思うな。」

    ー僕はその時を息を止め、待つ。

    これは、二人のナオミの物語。
    「セカイ系」とひとまとめにするには、あまりある物語だ。
  • 夢から醒めても、続く夢。
    そうだ、これは悪夢だったのだ。
    誰かが夢に終わりを告げなくてはならない。
    盲目の天使が告げた愛を、孤独の果てに傷ついた哀れな魂を、救済するために。

    瞳から赤い血を流し続ける彼に、月と花束を。哀と藍の言葉を。
  • 『心の火事』と非常に迷ったのだが、主人公の美意識を表現していると捉えたら、この選曲が思いついた。
  • 人は、運命を変えることが出来ないのか。
    復讐による殺人は宿命か。
    ブレーキの壊れた殺人は続く。どちらかが摩耗し、命を落とさない限りは。

    私には理解できない、歪んだ「愛」の中で、愛を与えられなかった二人の少年は、腕を血濡れにしながら沈んでゆく。

    どこまでも、どこまでも。
  • 選曲に後悔はしてない。
  • これは、「奇跡の物語」。とキャッチコピーは謳っているが、私にはこの作品群も等しく『青春』小説だ。

    雨音を頼りに躍る少女の胸の高鳴り、3歳にして全てを悟ってしまった幼児の悲劇、一面アルパカまみれのアルパカ掌編、猫を産んだ叔母の話、最高にロックでハードボイルドな『無人島に何を持っていくか?』の回答、前の持ち主が残した音楽の数々を聴きながら想像する男の話など、非常にバラエティー豊かなのである。

    こんなに一冊の中にまとめられた掌編の種類が豊富なのだから、奇跡や偶然がひとつやふたつあってもおかしくないだろう。

    エメラルドの羽で、あなたも空想の空を翔けるといい。
  • たった一人で世界にクーデターを仕掛けた少女。
    彼女は、自分の体が機械に乗っ取られることを非常に警戒していた。

    過剰に安全が保障された「真綿に首を絞められそうな」世界の中で、憂いた少女が起こした事件。

    『祈りたいよ 君のために 迷わないよう 光差すよう』

    祈るのは霧慧トァン。彼女に祈られるのは、御冷ミァハ。

    神とも精霊ともつかぬ無邪気な少女の、最期の叫び。そして永遠に続く、「最大の幸福」と祈り。




    「ハレルヤ」。
  • エッセイにどこか懐かしい雰囲気があったので、昔の思い出を壊さないようにするために選曲しました。(作品と夏休みは関係ありませんが…。)
  • 孤児としてこの世に生を受けたシルバーは、普通とは違う生い立ちを経たせいか、
    周囲とうまく溶け込むことが出来ず、しまいには精神病院行きになってしまう。
    彼女の言葉は適切に処理されず、ちゃんと聞いてもらえない。

    ピュー、もといバベル・ダークは、暴力的な姿と、慈愛を授ける二つの分離した心に苦しんでいた。
    彼の心情は、たびたび「ジキルとハイド」に例えられる。

    pollyが奏でるノイジーな音は、息ができないほどの孤独に悩んだ人間だけしか表現できない、潮騒だ。
    「泣きたいと笑っていた僕は誰だ」。

    深淵からの叫びが聞こえてくる。
    なんて残酷で、美しい調べなのだろうか。
  • 劇薬を撒いて植物たちを救おうとした男の子は、善意だけで行動したのだろうか。

    憂鬱そうに笑いながら橙色の砂を巻いた彼は、劇薬を撒いた挙句自らに振りかかって息絶えた、あのギザギザの歯の少年に似ていた。

    金色や銀色の幾筋もの光の輪が、通路を塞ぐように、森を照らしている。

    死者を弔い、憐れむように。
  • Mrs.Green Appleが掲げているのは、大人に対する軽蔑と、子どもに対する同調だ。

    生意気と達観の中間に存在し、厭世的になっている。その負の感情すら、ポップな娯楽へ昇華してしまう。

    菜乃花が大人や周りの子どもを軽蔑していたのも、彼女の洞察力が優れていたからにほかならないのだろう。

    皮肉と慮りの狭間で、彼らは生きている。
  • 傷つけられた二人は立ち上がり、力を合わせ、未来を切り開いてゆく。
    大丈夫だ。二人はどこの誰よりも強い双子なのだから。

    (後になってこの曲があることを知りました。連投すみません。)
  • 「想像力が僕らを助けるよ そうさどんなときも」
    「宇宙のパーティさ 月にハシゴ架け君を迎えに行くんだ」
    これほどまで合ってる曲はないような…
  • 避けられようのないものにがんじがらめにされた少年は、世界に復讐することを試みた。
    ここでの螺旋は、そのまま遺伝子だ。
    生きた虚像というのは、葛城のように、善人の面をした悪人のことだ。
    彼は最初から、大切なものを暴力によって奪われていた。

    黄金色に輝く悪魔の螺旋は、彼の腕に絡みつき、遂には罪の花を咲かせた。
    それは赤く染まりながら、びっしりと釘で覆われたバットを濡らした。

    この物語は勧善懲悪の話である。と同時に、偽悪的な物語でもある。
    矛盾しているようだが、春が行ったことを考えると、罪や悪という言葉で断言するのもおかしい気がしてくるのだ。

    生まれながらにして性善説を押し付けられた彼は、この先どんな未来を歩むのだろうか。
  • 登場人物の名前に心当たりがあったので。詳しく語るとネタバレになるので言いませんが、「誰もが、他の誰かに作られた世界で躍らされている」という点ではぴったりではないかと思います。
  • 正義を振りかざす「記憶喪失の男」。
    それがすべてを巻き込んだ過ちとは知らずに。
    人間としてどこかがずれた彼は、脳だけの存在となってこの世界に闘いを挑む。
    闇に溶けていったのは、黙示禄。
    大烏が空を覆い、怪物が走り出すとき、真実は暴かれる。