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スティル・ライフ
雪が降るのではない。雪片に満たされた宇宙を、ぼくを乗せたこの世界の方が上へ上へと昇っているのだ。 「大事なのは、山脈や、人や、染色工場や、セミ時雨などからなる外の世界と、きみの中にある広い世界との間に連絡をつけること、一歩の距離をおいて並び立つ二つの世界の呼応と調和をはかることだ。 たとえば、星を見るとかして。」 ある日、ぼくの前に佐々井が現れてから、ぼくの世界を見る視線が変わって行った——。 科学と文学が溶け合い、人と世界の関係を鮮やかに詩的に描く、永遠の名作。 中央公論新人賞、芥川賞受賞作。

  • 11/1
    外の世界とは別に、自分の中にひとつの世界を抱えている私たち。その二つの世界の境界の上で、何を求めて生きるのだろうか。澄んだ空気には、澄んだ歌声がよく似合う。
  • この世界がきみのために存在すると思ってはいけない。世界はきみを入れる容器ではない。

    世界ときみは、二本の木が並んで立つように、どちらも寄りかかることなく、それぞれまっすぐに立っている。


    すばらしい文だと思う。主観と客観の隔たりがテーマ。音楽は『アトム ザ・ビギニング』の主題歌で、ここではカットされてるが、冒頭の「ぼくも透明な空が青く見えるはずなのに」が本作のテーマにぴったりだと思う。