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重力ピエロ
兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは―。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。


  • この物語のテーマが「遺伝子」×タイトル「進化論」でかけてみた。

    「この世界に生まれ持って携えた使命が~」という出だしと、主人公の弟、「春」が生まれた残酷な経緯と重なった。周りの家族も、そして本人も、苦しんだだろうなと。

    「変わらないことがあるとすれば 皆 変わってくってことじゃないかな?」
    父が春に伝えた何気ないひとことをつたえた、あのラストシーンにあうかなと
    「あぁこの世界 愛しき世界 君と明日も廻していこう」春と主人公、ずっと仲良し兄弟で一緒にいられますように。
  • 避けられようのないものにがんじがらめにされた少年は、世界に復讐することを試みた。
    ここでの螺旋は、そのまま遺伝子だ。
    生きた虚像というのは、葛城のように、善人の面をした悪人のことだ。
    彼は最初から、大切なものを暴力によって奪われていた。

    黄金色に輝く悪魔の螺旋は、彼の腕に絡みつき、遂には罪の花を咲かせた。
    それは赤く染まりながら、びっしりと釘で覆われたバットを濡らした。

    この物語は勧善懲悪の話である。と同時に、偽悪的な物語でもある。
    矛盾しているようだが、春が行ったことを考えると、罪や悪という言葉で断言するのもおかしい気がしてくるのだ。

    生まれながらにして性善説を押し付けられた彼は、この先どんな未来を歩むのだろうか。